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2026.02.24

イノシシ被害に備える菊池市|地域ぐるみの鳥獣害対策

農家ハンター・イノP応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

彼らの現場で見て感じたことを、写真と共にレポートします。

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熊本県菊池市の2地域で、鳥獣害対策セミナーと現地実習を行いました。

地域で高まるイノシシ・シカへの不安

熊本県菊池市の2地域で、鳥獣害対策セミナーと現地実習を行いました。

住民の皆さんの声は、とてもリアルでした。

・シカはまだ大きな被害はないが、出始めている。
・山の斜面が崩れている。あれはイノシシだろう。
・栗畑が心配。
・イノシシが牛の飼料ロールを破る。

「まだ大丈夫」から「そろそろ本気で考えないと」のシーンに入る、その境目にある地域のようです。

個々で対策している方はいますが、地域として動き出すのはこれから。
電気柵とワイヤーメッシュ柵を、地域で設置していく予定だそうです。

稲葉たっちゃんが言いました。

「柵を張る前に、まず一緒に学ぶ機会をつくってください」
「みんなで地域を歩いて、どこにどう張るか話して考えていくといいですよ」

鳥獣対策は、資材より先に “合意形成”から進めていくのが大事です。

 

マニュアルは進化している!

行政から配布される防護柵についての仕様書(いわゆるマニュアル)は、前と今で変わっていることがいくつもあります。

この日挙がったのは、
・トタンを柵に使う
・ワイヤーメッシュ柵は 端と端を繋ぎ合わせて張る

 

今はトタンではなく電気柵やワイヤーメッシュ柵が主流ですし、
ワイヤーメッシュ柵は強度を考慮し一列重ねて張ることを推奨しています。
時代は進み、対策のノウハウは蓄積され、進化しています。
行政の担当者も学ぶ機会を持ち知識も増えていっていますので、官民共にアップデートしながら協働していけるといいですね。

 

 

中には女性も来てくださっていました。
「何も分からないのに来ていいか分からなかったけど、牛の飼料用の牧草が食べられているので勉強しとこうと思って参加した。何も知らんかったから、来てよかった」とおっしゃっていました。
力仕事の担い手は男性になることが多いですが、管理の面では特に女性の力が発揮されます。

セミナーの様子、動画にまとめました🙌

 

現地研修で見えた侵入ポイント

さて、実地研修で畑へ。

 

草刈りがきちんとされ、電気柵も美しく設置されていました。
管理がしっかりされていることは一目瞭然です。

 

 

ここは道路側から畑にイノシシが入ってくるそうです。

抜け道といえばここかな?というところが。

側溝がある部分をくぐって入ることができます。少しの隙間でも中に美味しいものがあると知ればがんばるのが野生動物。

電線におもりをつけたりして地面から20cm、40cmを守れたら段差も怖くありません。

 

この周辺にはピンクのテープが張ってあることが多かったです。

動物避けとして売られているピンクのテープ。
最初は違和感から動物は近づかないでしょうが、テープの存在に慣れてしまえば効果があるのか疑問があるのでイノPでは特に推奨していませんが、ここでは動物がテープを動かしている形跡がなく効果があっているのではという考察から多くはられているそうです。

電気柵と併用することで効果があるのかもしれません。

 

 

 

 

鳥獣害対策を前に進めるのは「チームワーク」

リーダーが勉強熱心で、いろいろと考えて実践していらっしゃり管理が行き届いている地域でした。
そして地域の皆さんが普段からコミュニケーションをしっかりとっておられることが伝わりました。
鳥獣対策の大きな一歩は、この地域内のチームワークです。

菊池市のご担当者も熱心に学んでおられる方のようでしたので、これから更に住民と共に具体的効果的な対策が進んでいくことと思います。

 

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2026.02.10

ペーパーわな猟ハンター研修会に密着|止め刺しと罠を現場で学ぶ

農家ハンター・イノP応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

彼らの現場で見て感じたことを、写真と共にレポートさせていただきます。


 

熊本県主催「ペーパーわな猟ハンター研修会」にお邪魔してきました!

山都町にある清和山村基幹集落センターで座学を行い、「ジビエ工房やまと」さんでは止め刺しやジビエについて学び、近隣の山で罠の現地研修が行われました。

今年から始まったこの研修会には、狩猟免許を取ったばかりの方、取得していたものの実践経験が乏しい方、実際の現場を見て学びたい方など、さまざまな立場の参加者が集まりました。

写真とともにレポートします📸

 

座学、司会は井手くんです!

 

熊本県では若手育成を目的とした研修事業が始まっています。高校生への啓発にも力を入れており、狩猟免許取得者の平均年齢は年々下がっているそうです。

年に8回も狩猟免許試験があるのは熊本県の強み、という話もありました。普及・啓発に力を入れており、研修も多く開催されています。研修では行政関係者が受講することもあり、熱心に学んでおられます。

 

免許を取得しただけでは狩猟はできません。登録を行い、狩猟期間内のみ狩猟が可能です。一方で、鳥獣害対策としての捕獲活動は、地域差はあるものの狩猟期間に縛られず活動できます。

 

 

 

例えば、登校路の近くでくくり罠を設置するのは非常に危険です。罠にかかった動物は興奮状態になり、足がちぎれても逃げようとするほど攻撃的になります。ワイヤーが切れて人に向かってくることもあり、ベテランでも緊張感を持って対応しています。

こうした基本的な知識を学べる場として、この研修会はとても重要だと感じました。

 

銃猟免許を持っている人でも、誰もが銃を所有しているわけではありません。このサンプルも、銃猟免許を持っている人だけが触れるものです。

 

ジビエ工房やまと

止め刺しについて話をしてくれたのは、《ジビエ工房やまと》さん。

朝に捕獲した小ぶりのシカを前に、止め刺しのコツを丁寧に教えてくださいました。

 

 

止め刺しも、免許を取ったからといって誰でもスムーズにできるわけではありません。稲葉たっちゃんにも、苦しい思い出があります。動物にできるだけ苦痛を与えず、ストレスを最小限にするための大切なポイントを教えてもらいました。

 

コツは”同じ”

ナイフを入れる際は、同じ向き・同じ角度・同じ地面の状態(フラット、でこぼこなど)で経験を積むこと。

「こっちかな?」「あっちかな?」と毎回条件を変えてしまうと、「ここだ!」という感覚がつかみにくく、なかなか上達しないそうです。

そのため、ひたすら同じ条件で繰り返し経験することが大切だそうです。

 

 

 

食べる?or 食べない?

捕獲した獲物を「食べるか・食べないか」によって、止め刺しの方法や搬送、ナイフを入れる部位が変わります。

 

 

電気ショック

血抜きの前に電気ショックを与える方法があります。電気ショックを当てた部分は肉として食べられません。そのため、肉になる部分は避けて行います。お腹に当てても肉質への影響は出にくいとのことでした。

 

止め刺し

銃を使う場合は、動物へのストレスが少なく、肉質も良好です。ただし、銃免許を持っている人に限られます。散弾銃ではなく、一発玉で首を狙います。

ナイフを使う場合も、刺す場所によっては肉が使えなくなるため、それを踏まえて位置を決めることが重要です。

搬送

食べる場合は、道具に乗せて捕獲場所から車まで搬送します。引きずって運ぶとアザができ、その部分は食べられなくなってしまいます。食べない場合は、搬送方法は問いません。

 

地元の猟友会の方々に話を聞いたり、実際の現場を見せてもらってから実践することが大切だと感じました。

 

罠の現地研修へ

箱罠

 

実践を前提とした講習だけあって、参加者の皆さんの「学びたい」という気持ちがひしひしと伝わってきます。

 

山のどんな場所に設置するのか。動物が警戒心を解いて入りやすいのはどんなところなのか。

床に板を敷くべきか、上に物を置いてもいいのか。エサは何をどのくらい入れるのか。カビたら入れ替えるのか。捕獲したら場所を変えるのか。

実際の現場を見ながら、次々と疑問が解消されていきます

 

 

くくり罠

清和支部の猟友会の方が、設置を実践してくださいました。

長年の経験から編み出した“オリジナル虎の巻”は、普通なら門外不出。それが今回は「全部教えます!!」と言って、惜しみなく見せてくださいました。

どんな場所に、どのくらいの深さで、どのくらいの強さで仕掛けるのか。その一つひとつに理由があり、皆さん真剣な表情で見入っていました。

市販品だけでなく、改良したり自作したりする人も少なくないそうで、それも実際に見せていただきました。​太っ腹!!!

 

 

知識を集めて、経験をしながら自分ならではのやり方を見つけておられます。

参加者の皆さん、食い入るように見つめていましたよ。

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研修終了後、参加者の方にお話をお聞きしました。

*阿蘇で農業をしていて、野生動物による被害が目立ってきた。免許を取り、罠を買ったばかりだったが、仕掛け方が分かった。ジビエとして食べるのも楽しみです。

*知らない箱罠の設置の仕方を知れた。箱罠の屋根は何も乗せない、床は土や葉っぱで覆うこと。今までの方法と違ったので早速やってみる。

*実際にやっている人の話を聞いたり実践現場を見る機会はないからありがたかった。くくり罠の設置方法を見て、自作している人がいることに驚いたし、可能性が広がった。

*箱罠が欲しくなった。

 

※動画は途中から静止画になりますが、音声は生きています。ぜひご覧ください!

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2026.01.28

防護柵研修の現場、獣害対策は柵から畑まで

農家ハンター・イノP応援団 フォトライターの髙木あゆみです!

彼らの現場で見て感じた事を、写真と共にレポートさせていただきます。

 

鹿児島県での活動も始まっているイノP。
この日はとある町で防護柵の講習を行いました。

 

集まったのは、地元で農業を営む農家のみなさんです。
この近辺はイノシシだけでなくサル、トリにも悩まされているそうです。

助っ人として井上くんも参加しました。経験も知識も確かで、安心感が柵より強めです。

鹿児島・熊本の企業さんも サンプル柵の設置に力を貸してくれました。

ここでの研修は4回目。

ここは、現役の畑と耕作放棄地が隣り合わせの場所です。

以前、みなさんと現場を見て回った際、耕作放棄地をそのままにしないことの大切さを伝えていました。
そしてこの日、現場でたっちゃんがまず感動したのは、一部きれいに草刈りがされていたことでした。

見通しが良くなれば、動物たちは体を隠せないので避けるのです。隠れ場がなくなれば動物と人間の境界線がもとの山側に戻っていきます。

 

さて防護柵の研修です。

メッシュ柵

まずメッシュ柵について。

安価でホームセンターにも売ってあるので導入しやすい良さがあります。ですが、ポイントを抑えないとすぐに動物に突破されてしまいます。

 

柵を張るところは平坦なところばかりではありません。写真のような傾斜や段差がある方が多いかも。
そこで生まれた小さな隙間から動物は突破口をひろげて入っていきます。
アナグマが開けた穴からイノシシも入ります。

 

ということで、「隙間、あなどるなかれ」。

人間には「これくらい大丈夫そう」でも、動物には「ようこそ入口」になってしまいます。

柵の端と端を一部重ねることも重要です。写真のように重ねることで、隙間防止だけでなく強度があがり、衝突されても簡単には突破されません。平坦な地でも一列重ねて張りましょう。

 

 

電気柵

次は電気柵。

電気柵の効果を高めるコツは、高さと電圧を死守すること!

高さは20cm、40cm、電圧は4000V以上ですよー!!

草や異物が触れると漏電し、そこから先の電圧が大きく下がってしまいます。

 

マルチシートに電線が入っているマイナスシートもご紹介しました。

 

金網柵

金網柵は、設置にコストと人手を要しますが、守る力は◎。

 

しかし、そんな無敵の柵もおサルさんには効きません。サルは網は登らないそうですが柱は登ります。

サルにもイノシシ・シカ・小動物にも効くのが金網柵➕サル対策電気柵のハイブリッド柵。

子ザルさんのことも考えて、金網柵の上に10cm幅の電気柵を4本張るものを紹介しました。

 

 

サルの対策は有害鳥獣対策でも特に難しいと言われています。
集団であること、賢く人間の行動を学び、追い払いや罠に慣れ回避するからです。

逆に、「絶対に入れない」と学習してもらうことで近寄るのを防ぐことが重要だそうです。

質問のあっていたのはトリ対策。
鳥の対策はとても困難なのは、屋根に対策ができないからです。この地域ではヒヨドリ、カラスの被害が多いそうです。

ヒヨドリの繁殖期は6〜8月。被害があるのは2、3ヶ月後の夏〜秋になります。甘いものが好きなので、この地域で多く作られる枇杷は被害を受けているようです。

カラスは、変化に敏感です。賢いので学習します。テグスが羽根に当たるのを嫌うので、テグスで近づけないようにする、それを学んでもらうというのが良さそうです。

カラスもヒヨドリも、現時点では対策に大きな違いはなさそうです。とにかく「近づけない場作り」が欠かせないんですね。

耕作放棄地

耕作放棄地がぐんと畑にせまる現場を見ながら井上くんに教えてもらいました。

耕作放棄地は、数年で葛が蔓延ります。根が張ると、そこから耕しても何年も根絶やしにできません。その蔦が伸び、杉などのてっぺんまでいくので木に陽が当たらず時間をかけて枯れてしまいます。

耕作放棄地が増えると、森にも山にも影響していくのですね。静かだけれど、じわじわと効いてくる問題です。

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