農家ハンター・イノP応援団 フォトライターの髙木あゆみです!
彼らの現場で見て感じた事を、写真と共にレポートさせていただきます。

鹿児島県での活動も始まっているイノP。
この日はとある町で防護柵の講習を行いました。
集まったのは、地元で農業を営む農家のみなさんです。
この近辺はイノシシだけでなくサル、トリにも悩まされているそうです。

助っ人として井上くんも参加しました。経験も知識も確かで、安心感が柵より強めです。
鹿児島・熊本の企業さんも サンプル柵の設置に力を貸してくれました。
ここでの研修は4回目。
ここは、現役の畑と耕作放棄地が隣り合わせの場所です。

以前、みなさんと現場を見て回った際、耕作放棄地をそのままにしないことの大切さを伝えていました。
そしてこの日、現場でたっちゃんがまず感動したのは、一部きれいに草刈りがされていたことでした。
見通しが良くなれば、動物たちは体を隠せないので避けるのです。隠れ場がなくなれば動物と人間の境界線がもとの山側に戻っていきます。


さて防護柵の研修です。
メッシュ柵

まずメッシュ柵について。
安価でホームセンターにも売ってあるので導入しやすい良さがあります。ですが、ポイントを抑えないとすぐに動物に突破されてしまいます。


柵を張るところは平坦なところばかりではありません。写真のような傾斜や段差がある方が多いかも。
そこで生まれた小さな隙間から動物は突破口をひろげて入っていきます。
アナグマが開けた穴からイノシシも入ります。
ということで、「隙間、あなどるなかれ」。
人間には「これくらい大丈夫そう」でも、動物には「ようこそ入口」になってしまいます。
柵の端と端を一部重ねることも重要です。写真のように重ねることで、隙間防止だけでなく強度があがり、衝突されても簡単には突破されません。平坦な地でも一列重ねて張りましょう。

電気柵
次は電気柵。

電気柵の効果を高めるコツは、高さと電圧を死守すること!
高さは20cm、40cm、電圧は4000V以上ですよー!!

草や異物が触れると漏電し、そこから先の電圧が大きく下がってしまいます。


マルチシートに電線が入っているマイナスシートもご紹介しました。
金網柵
金網柵は、設置にコストと人手を要しますが、守る力は◎。

しかし、そんな無敵の柵もおサルさんには効きません。サルは網は登らないそうですが柱は登ります。
サルにもイノシシ・シカ・小動物にも効くのが金網柵➕サル対策電気柵のハイブリッド柵。
子ザルさんのことも考えて、金網柵の上に10cm幅の電気柵を4本張るものを紹介しました。


サルの対策は有害鳥獣対策でも特に難しいと言われています。
集団であること、賢く人間の行動を学び、追い払いや罠に慣れ回避するからです。
逆に、「絶対に入れない」と学習してもらうことで近寄るのを防ぐことが重要だそうです。


質問のあっていたのはトリ対策。
鳥の対策はとても困難なのは、屋根に対策ができないからです。この地域ではヒヨドリ、カラスの被害が多いそうです。
ヒヨドリの繁殖期は6〜8月。被害があるのは2、3ヶ月後の夏〜秋になります。甘いものが好きなので、この地域で多く作られる枇杷は被害を受けているようです。
カラスは、変化に敏感です。賢いので学習します。テグスが羽根に当たるのを嫌うので、テグスで近づけないようにする、それを学んでもらうというのが良さそうです。
カラスもヒヨドリも、現時点では対策に大きな違いはなさそうです。とにかく「近づけない場作り」が欠かせないんですね。
耕作放棄地

耕作放棄地がぐんと畑にせまる現場を見ながら井上くんに教えてもらいました。
耕作放棄地は、数年で葛が蔓延ります。根が張ると、そこから耕しても何年も根絶やしにできません。その蔦が伸び、杉などのてっぺんまでいくので木に陽が当たらず時間をかけて枯れてしまいます。
耕作放棄地が増えると、森にも山にも影響していくのですね。静かだけれど、じわじわと効いてくる問題です。